控訴
高速道路
走行
走行速度の実態のほか,甲92が用い たモデルは将来の自動車騒音規制を考慮して自動車のパワーレベルを低 減させているのに対し,その改良モデルではこれを考慮していないこと を挙げ,予測騒音は甲92より3ないし4デシベル高くなると主張する。
しかしながら,実際の走行速度なるものに科学的,実証的な妥当性は認 められないのであって,このようなものを科学的根拠に乏しい甲92に 反映させても,科学的根拠を有する結果が得られるわけではないし,本 件環境影響評価の騒音の予測評価が適正にされていないことになるわけ でもない。
また,改良モデルについても,2003年のモデルを本件環 境影響評価及び本件環境影響照査に反映させることは不可能であるか ら,控訴人らの主張は考慮に値するものではない。
控訴人らは,原判決が高尾山登山道が環境影響評価の予測評価の対象と ならないと判断したことを批判する。
しかし,本件環境影響評価における騒音の予測は,建設省技術指針(丙 1)及び東京都技術指針(丙5)に基づき,本件環境影響照査は,建設省 の技術手法(平成12年10月)及び東京都技術指針(平成11年7月。
乙24)等に基づいて実施されたものであり,原則として官民境界から8 0メートルないし150メートルまでの範囲について予測が行われ,八王 子ジャンクションが位置するα5地域においては,本件事業の計画,地形 の状況及び住居の位置等にもかんがみ,最大でおおよそ200メートルの 範囲における平面予測が行われている(乙19)。
そして,このような予 測地域の設定は,上記各技術指針等に照らし適切妥当といえる。
高尾山登 山道は,上記予測地域の範囲から大きく外れている。
したがって,住居の 存在しない高尾山登山道については,制度上,環境影響評価を行うことは 必要とされていないとする原判決の判断は正当であり,本件環境影響評価 及び本件環境影響照査において,かかる地域まで騒音の予測地域としてい ないとしても,何ら不合理なことではない。
本件環境影響評価及び本件環境影響照査におけるα5地域における夜間 の予測値については,「道路に面する地域」の夜間の旧環境基準及び新環 境基準を下回っているところ,控訴人らは,「道路に面する地域」におけ る環境基準では睡眠妨害を防止できないと主張する。
債務履行の担保
証拠(各付記のもの)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
アA及びBとCは,平成16年3月4日,東京都新宿区α1番地22所在のβ×××号室(以下「本物件」という。)につき,A及びBを賃貸人,Cを賃借人として,賃貸借契約(以下「本件賃貸借契約」という。)を締結した。本件賃貸借契約には,次のとおりの約定がある。(甲9)
(ア) 第2条(使用目的)
賃借人は,本物件を,事務所(業種:建築工事費用見積,工事監理)として使用するために賃借するものとし,その他の目的には使用してはならない。
(イ) 第3条(契約期間)
契約期間は平成16年3月17日から平成18年3月31日までとし,契約更新後の契約期間は満2年間とする。
(ウ) 第4条(保証金)
賃借人は,本件賃貸借契約締結と同時に,同契約に基づく債務履行の担保として,保証金114万円を無利息で賃貸人に預託する。
(エ) 第5条(賃料・共益費)
賃借人が賃貸人に支払う賃料は,月額19万円(別途消費税9500円)とする。
1か月に満たない端数の期間を生じた場合の当該月は日割計算とし,小数点以下切り捨てとする。
賃借人は翌月分の賃料・消費税の合計額19万9500円を当月25日までに賃貸人の指定する銀行口座に振り込むものとする。
振込手数料は賃借人の負担とする。
(オ) 第26条(特約条項)
Cは同人を代表取締役として法人(第2条に定める業種)を設立する予定であり,法人設立後に賃借人をCから法人に変更することを賃貸人は承諾した。
イCは,平成16年3月3日,A及びBの代理人である株式会社Dに対し,本物件の賃借に係る同年3,4月分の賃料及び保証金合計143万6031円を,銀行振込で支払った。(甲6,甲9)(なお,甲6では,143万6451円を支払ったとされているが,これは振込手数料420円を含んだ金額であると推測される。)
ウCは,前記イのほか,本物件の賃借に係る礼金として,紹介不動産業者である株式会社Eに対し,19万9500円を支払った。(甲6,甲9)- 20 -
エCは,平成16年3月12日,自らを代表取締役とし,本物件を本店所在地として,原告の設立登記手続をした。
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旧環境基準及び新環境基準における「道路に面する地域」の環境基準の 指針値の設定においては,睡眠に対する影響が適切に考慮されており,本 件事業によって控訴人らの主張するような深刻な睡眠妨害が生じるもので はない。
環境基準については,「常に適切な科学的判断が加えられ,必要 な改定がなされなければならない」(環境基本法16条3項)と規定され ているところ,新環境基準を定めるに当たっては,中央環境審議会が,平 成10年5月22日,環境庁長官に対し,「騒音の評価手法等の在り方に ついて」との答申をし,これに基づき,環境庁は,「騒音に係る環境基準」 を告示した(環境庁告示第64号)。
新環境基準への改訂は,旧環境基準 の設定以来年月を経ていたことから,環境基準全般の見直しを含んでおり, 最新の科学的知見に基づき,政府の新たな目標値として定められたもので ある。
新環境基準は,まず,屋内指針を定め,これに住居の遮音性能を考 慮して夜間と昼間の屋外基準を求め,さらに,一般地域と道路に面する地 域の区分や地域特性の区分などにより基準値を定めている。
この屋内指針 値については,中央環境審議会答申において,昼間については会話影響か ら,夜間については睡眠影響から,それぞれ等価騒音レベルを用いて定め ている。
夜間の屋内指針において,一般地域と道路に面する地域で5デシ ベルの差があるのは,騒音レベルの変動が大きい場合は,より低いレベル で睡眠影響が生じるとの考え方によるものである。
また,屋外の基準設定 に必要な家屋の遮音性能については,旧環境基準と同様に10デシベルと しているが,上記中央環境審議会での資料によれば,窓を開けた状態で平 均9.1デシベル,窓を閉めた状態では平均23.8デシベルであり,我 が国の最近の建物の遮音性能は,一般には著しく向上している(丙12 4 。
屋外の基準である道路) に面する地域の環境基準の指針値のうち,専 ら住居の用に供される地域(C地域,新環境基準の「A地域のうち,2車 線以上の車線を有する道路に面する地域」と同義)の指針値を定めるに当 たっては,地域補正に関する考え方を総合すると,C地域はA地域に対し て昼間+5デシベルの補正を行うことが考えられる。
また,騒音影響に関 する屋内指針において,道路に面する地域の睡眠影響に関する指針値が一 般地域のそれに対して5デシベル高くなっていることから,夜間について は更に+5デシベル補正し,A地域に対して計+10デシベルの補正を行 うことが考えられる。
そこで,昼間60デシベル以下,夜間55デシベル 以下とすると,ある程度窓を開けた状態(防音効果が15デシベルとなる 状態)においても,騒音影響に関する屋内指針を満たすことが可能である。
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